友人だったロシアの作曲家プロコフィエフへのオマージュとして作曲されたもの。
友人の死を悼む、プーランクの真情が音楽化された作品と言えますが、
プーランク自身も、この作品を完成した数カ月後に死を迎えたため、
彼自身の白鳥の歌とも言える作品。
楽曲全体を通しての悲しみとともに、清らかな諦観の境地とすら感じられる、メランコリーで美しい作品です!
エントリーする演奏は、フランシス・ルルーのオーボエ、エリック・ル・サージュのピアノによるものです。
【第1楽章:Elegie】
「哀歌」と表示されたこの楽章は、いきなり、痛切な悲しみを込めたオーボエの甲高い前奏で開始されますが、
すぐに夜の静寂に包まれた田園に漂うように、物悲しく澄みきったオーボエの美しい旋律が…。
時に慟哭するように、
時に虚無感を漂わせるように、
プーランクの清明な心境が伝わってくる、素晴らしい音楽です!
【第2楽章:Scherzo】
プロコフィエフの『ロメオとジュリエット』の「街の人たちの踊り」の場面を髣髴する、情熱的なスケルツォ部!
中間部の、寂しげで愛らしい旋律は、少女ジュリエット、延いてはプロコフィエフへのオマージュなのでしょうか?
【第3楽章:Deploration】
「嘆き」と表示された終楽章は、田園の静寂に、嘆き悲しむようにオーボエの音色が響き渡る、そんな趣の音楽。
ピアノの奏でる弱々しいリズムが、孤独な寂寥感を醸しますが、
終結部では弔いの鐘のように、心の奥深くに響いてきます。
プーランクの最晩年に書かれた、名曲の名演奏!