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W.A.モーツァルト:交響曲第21番 イ長調 K.134

ヨーゼフ・クリップス  ロイヤル・コンセルトヘボウイ


1772年の8月、16歳の時に書かれたこの作品は、

初期の交響曲の中では、聴き手の想像力を刺激する愉悦感溢れる作品という点で、

彼の初期の交響曲の中では、私の飛びぬけて好きな作品!

ただ、交響曲という形式ですが、

独自の愉しさや美しさを有した作品が、オムニバス風に展開されていく趣は、

聴いていて心がワクワクします。

エントリーするディスクは、J.クリップス指揮する、コンセルトヘボウの演奏。

弦の木質系の柔らかな音色と、

フルートの雅な響きが絶妙にブレンドされた、素晴らしい演奏です!


【第1楽章:Allegro】

意気揚々且つ伸びやかな主題が、時折転調によって、愉しい物語の展開を予兆させるようで、まるでオペラの序曲を思わせます。

鳥の囀りを思わせるフルートの音色が、愉悦感を高め、想像力を掻き立ててくれる、見事な演奏です!


【第2楽章:Andante】

ヴァイオリンが奏でる、深い思いを歌うような美しい旋律は、まるでオペラのアリアのよう。

中間部での細かく動く伴奏は、動揺する心、或いは胸のときめきをを表現しているのでしょいか…。


【第3楽章:Menuetto-trio】

フルートが活彩りを添えるメヌエットは、

小鳥が飛び回る庭園のような、明るく華やかな美しさが…。

まどろみへと誘われるトリオ部のホルンの響きは、

お伽の国の悪戯者の妖怪に出会ったような、無邪気な驚き?

メルヘンチックで、愉しい音楽です。


【第4楽章:Allegro】

フレンドリーで軽快な、踊りのような音楽。

中間部の全休止で一瞬気分は変わりますが、

最後はみんなで手を取り合って、大団円へと向かっていきます、


モーツァルト作曲のミニ・オペラを観るような、愉しい交響曲!

クリップスとコンセルトヘボウのコンビならではの、なんとも味わい深い演奏です!

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