先日来の雨で、家の周りの残雪もほとんど消えました。
春の光がまぶしさを増して、木々の芽ぶきの予兆が感じられる爽やかなこんな日には、
バッハのフランス組曲第2番を、シフの演奏で…。
清らかで透明な音色なのですが、どこか温かさが感じられるこの人の弾くバッハは、最近しばしば取り出して聴くようになりました。
【第1曲:Allemande】
落ち着きを湛えつつ、淡々と滑らかに奏される旋律には、高貴さが漂います。高音部の響きがとりわけ美しい演奏!
【第2曲:Courante】
心地良い響きで流れる旋律と、左手が刻むリズムの変化が絶妙のバランスを醸す、何とも印象的な躍動感に溢れた音楽!
【第3曲:Sarabande】
僅かな大気の動きでそれと知れるような、静謐で洗練された雅な動きが髣髴胃される。格調の高い舞曲。祈りにも通じるような、シフの演奏です!
【第4曲:Air】
鼻歌を口ずさむような愉しげな主題と、それを支える左手の伴奏とのかけ合いが、絶妙な味わいを醸します…。
【第5曲:Menuetto】
雅で、穏やかな動きの中に華やかさが感じられる第1メヌエットと、密やかな第2メヌエット。姿形がそっくりな姉妹が、優雅に踊る姿を描き分けたような趣の舞曲!
【第6曲:Gigue】
飛び跳ねるような活発なリズムの中にも、洗練された動きが髣髴出来る舞曲です!
春の訪れを寿ぐような、そんな愉悦に満ち、かつ高雅なバッハ演奏だと思います。