演奏時間にして僅か15分程度の作品ながら、完成までに5年を要したとか。
当時は演奏活動に追われていて、作曲活動は極度のスランプに陥っていたとも言われますが、
ラヴェル自身は「無駄な音符を削るのに、これだけの時間を要した」と言ったとか!
それぞれの楽器の個性が活かされた音色が、空間に解き放たれて、至福の時が訪れるように感じます。。
【第1楽章:Allegretto】
ヴァイオリンが官能的に、
ピアノがクリスタルのように澄み切った透明感を漂わせながら、
不思議な雰囲気で開始される第1楽章…。
ヴァイオリンとピアノが、交互にテーマを奏でながら、
時に優雅に、
時に官能的に、
時に清涼感に満たされながら等々…、
魅惑的な瞬間が、とめどなく移ろいゆく、魅力溢れる音楽です!
【第2楽章:Blues.Moderate】
表記されているように、当時パリでも流行っていたブルースのメロディが引用されているとか!
気だるく憂鬱で、妖しげな雰囲気を漂わせつつも、
決して高貴さを失わないところが、いかにもラヴェルらしいところ…。
ジャズやブルースの魅力を感じさせてくれる、法悦のひとときです!
【第3楽章:Perptuum mobile.Allegro】
汗一つ書かずに、時々アクセルを緩めながらスポーツカーで軽快に疾走するような、
聴き手にはそんな爽快感だけが感じられる音楽!
しかし、ヴァイオリニストにとっては、難曲中の難曲と言われるこの楽章!
余談ですが、
嘗てこの楽章を汗を飛ばしながら大熱演して、大きな拍手喝采を受けた若手ヴァイオリニストのコンサートで、
曲が終わった後、少し離れた席の見ず知らずの方と偶然目が会い、
阿吽の呼吸で、お互いに苦笑し合ったことを思い出します。
今日エントリーしたのは、女流ヴァイオリニストのシャンタル・ジュイエと、パスカル・ロジェのCDは、
私が聴いた中では、上述したような作品の魅力を最も感じた演奏でした!、