「こんな日は、清々しくって、心身ともにリフレッシュできるようない音楽を!」と思い立ち、
久しぶりにヴィヴァルディの「調和の霊感」を取り出しました。
この曲集は、ヴェネチアのピエタ慈善院の付属音楽学校の教職に就いていた1711年(33歳の頃)、
孤児たちの音楽教育のために書いた作品のうち、好評だったものを12曲選び、op.3として出版したものです。
今日聴いたのは、そのうちの第1番ニ長調で、4つのヴァイオリンとチェロのために書かれた合奏協奏曲。
ピノック指揮のイングリッシュ・コンサートの演奏を選んだのですが、
「実にタイムリーな選曲だった」と自画自賛出来るほど(単なる偶然に過ぎないのですが)、この日の気分にぴったりな演奏でした!
【第1楽章:Allegro】
オケが奏する瑞々しく美しい旋律と、
鳥の声を思わせる、ヴァイオリンやチェロのソロ。
時に強く、時に弱く奏される、その絶妙の匙加減で、
曲に幅広い空間や奥行きが生じて、
木々の梢を揺らす風のそよぎや、あちこちで囀る鳥たちの声が聞こえてくるよう…。
春の訪れを予感させる、悦びに溢れた素晴らしい演奏です!
【第2楽章:Largo e spiccato】
夜のしじまを思わせる、穏やかな楽章。
独奏チェロが、月影を遮る雲のように、
不気味な、時にセンチメンタルな第1楽章とb、印象的な闇の世界を表出するように響きます…。
【第3楽章:Allegro】
第1楽章とは異なり、花々が咲き乱れる春爛漫を思わせる、美しく華やかな愉悦感に溢れた楽章!
私の場合、ヴィヴァルディの作品をまとめて聴くと、すぐに退屈感を催してしまうのですが、一
曲づつ丁寧に聴いていると、耳馴染んだ曲でも、時に驚くほど心の琴線に触れることがあるのです!