最近聴いたCD

A.ヴィヴァルディ:調和の霊感第3番 op.3-1

T.ピノック  イングリッシュ・コンサート管弦楽団


3月24日は、目覚めた時から気温が高く、吹く風も心なしか温かさが感じられて、いよいよ春本番も間近と思える一日!

「こんな日は、清々しくって、心身ともにリフレッシュできるようない音楽を!」と思い立ち、

久しぶりにヴィヴァルディの「調和の霊感」を取り出しました。


この曲集は、ヴェネチアのピエタ慈善院の付属音楽学校の教職に就いていた1711年(33歳の頃)、

孤児たちの音楽教育のために書いた作品のうち、好評だったものを12曲選び、op.3として出版したものです。

今日聴いたのは、そのうちの第1番ニ長調で、4つのヴァイオリンとチェロのために書かれた合奏協奏曲。

ピノック指揮のイングリッシュ・コンサートの演奏を選んだのですが、

「実にタイムリーな選曲だった」と自画自賛出来るほど(単なる偶然に過ぎないのですが)、この日の気分にぴったりな演奏でした!


【第1楽章:Allegro】

オケが奏する瑞々しく美しい旋律と、

鳥の声を思わせる、ヴァイオリンやチェロのソロ。

時に強く、時に弱く奏される、その絶妙の匙加減で、

曲に幅広い空間や奥行きが生じて、

木々の梢を揺らす風のそよぎや、あちこちで囀る鳥たちの声が聞こえてくるよう…。

春の訪れを予感させる、悦びに溢れた素晴らしい演奏です!


【第2楽章:Largo e spiccato】

夜のしじまを思わせる、穏やかな楽章。

独奏チェロが、月影を遮る雲のように、

不気味な、時にセンチメンタルな第1楽章とb、印象的な闇の世界を表出するように響きます…。


【第3楽章:Allegro】

第1楽章とは異なり、花々が咲き乱れる春爛漫を思わせる、美しく華やかな愉悦感に溢れた楽章!


私の場合、ヴィヴァルディの作品をまとめて聴くと、すぐに退屈感を催してしまうのですが、一

曲づつ丁寧に聴いていると、耳馴染んだ曲でも、時に驚くほど心の琴線に触れることがあるのです!

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