コンクールで優勝するなどしてマスコミで採り上げられ、CDデビューする若手ヴァイオリニストの多くは、この曲を録音しているのではないでしょうか。
余談ですが、コンサート情報を眺めていても、最近活躍している日本人ヴァイオリニストって、なぜか女性ばかりのように思うのですけど…?
今日エントリーするのは、五嶋みどりさんが15歳の1987年に収録したもので、
初めて聴いたのは、もう25年も前のことなのですね!
その時には、けなげなまでのいじらしさを感じて、胸が熱くなった記憶があるのですが、
そんな印象は、今聴いても変わりなく伝わってきます。
【第1楽章:Allegro moderate】
オーケストラが、期待に胸をときめかせるような明るく軽快な旋律を奏でたあと、独奏ヴァイオリンンが登場しますが、
最初の音が鳴り響いた瞬間から、15歳のMidoriの鋭い感性の迸りに惹きつけられます。
この楽章は23分に及ぶ長大なものですが、
若々しく瑞々しい感性が、自在に天空を羽ばたくような素晴らしい演奏です!
この楽章、独奏ヴァイオリンが素晴らしければ素晴らしいほど、
それに反比例して、オーケストラが貧弱に聴こえてしまうのですが、
これって、パガニーニが自分を目立たせるために仕掛けた罠なのでしょうか…。
【第2楽章:Adagio】
オーケストラによって悲劇的な雰囲気が用意された後、
独奏ヴァイオリンがヒロインのモノローグを奏でるような趣。
いたいけない少女の心の内が切々と語られます。
【第3楽章:Rondo(Allegro spirituoso)】
切れ目なく続くこの楽章も、先ずオーケストラが軽快なリズムを刻みながら、主役の登場をお膳立てします。
ここでの独奏ヴァイオリンも、若々しく清々しいもので、まるで春の息吹がy伝わってくるよう!
聴難技巧を駆使されていると言われていますが、
その奏法が、時に春風のように、
時に鳥の囀りのように心に響いてきます。
ストレスフリーに聴ける、25年来の私の愛聴盤です!