独学で学んできた管弦楽法を駆使して、フルオーケストラのために作曲したもの。
1920年代後半にパリで過ごした印象を書きとめ、帰国後にオーケストレーション化したと言われています。
パリ滞在中のガーシュインは、ラヴェルに管弦楽法の教えを請いますが、
「君は既に一流のガーシュインなのだから、ラヴェルの二番煎じになることはない」と言って、彼の才能を高く評価したとか!
エントリーする演奏は、プレヴィン指揮するピッツバーグ交響楽団によるもの。
肩ひじ張らない力の抜けた演奏で、
パリという大都会に出てきた一人のアメリカ人が、
その喧噪ぶりに驚き、戸惑い、
カルチャーショックに陥って憂鬱になったり、
母国へのノスタルジーを感じたり、
そんな心情が活き活きと描かれた、大変に楽しい演奏だと思います!
ライナーノートに拠ると、冒頭の浮ついた印象を受ける音楽は「散歩の主題」とか。
この曲を聴くと、カルチャー・ショックを受けてどぎまぎする自身の田舎者的な振る舞いが、
半ば自虐的に、半ばコミカルに描かれているように思えるのですが…。
ブルース、チャールストンを始めとして様々な催し物が次々と登場し、
見るもの・聴くものが全て新鮮で、初々しい感動が伝わってくるこの音楽!
目を丸くして驚いたり、疲れきってトボトボと歩く姿を描いてみたり…。
戸外では、再び雪が降り始め、少し積もりそうな気配ですが、
そんな鬱陶しさを払拭してくれる楽しい曲であり、演奏でした!