最近聴いたCD

G.ガーシュイン:パリのアメリカ人 

アンドレ・プレヴィン゙指揮  ピッツバーグ交響楽団


「ラプソディ・イン・ブルー」の成功によって、娯楽音楽の寵児から、クラシック音楽のホープとして注目され始めたガーシュイン(1898-1937)は、

独学で学んできた管弦楽法を駆使して、フルオーケストラのために作曲したもの。

1920年代後半にパリで過ごした印象を書きとめ、帰国後にオーケストレーション化したと言われています。

パリ滞在中のガーシュインは、ラヴェルに管弦楽法の教えを請いますが、

「君は既に一流のガーシュインなのだから、ラヴェルの二番煎じになることはない」と言って、彼の才能を高く評価したとか!


エントリーする演奏は、プレヴィン指揮するピッツバーグ交響楽団によるもの。

肩ひじ張らない力の抜けた演奏で、

パリという大都会に出てきた一人のアメリカ人が、

その喧噪ぶりに驚き、戸惑い、

カルチャーショックに陥って憂鬱になったり、

母国へのノスタルジーを感じたり、

そんな心情が活き活きと描かれた、大変に楽しい演奏だと思います!


ライナーノートに拠ると、冒頭の浮ついた印象を受ける音楽は「散歩の主題」とか。

この曲を聴くと、カルチャー・ショックを受けてどぎまぎする自身の田舎者的な振る舞いが、

半ば自虐的に、半ばコミカルに描かれているように思えるのですが…。

ブルース、チャールストンを始めとして様々な催し物が次々と登場し、

見るもの・聴くものが全て新鮮で、初々しい感動が伝わってくるこの音楽!

目を丸くして驚いたり、疲れきってトボトボと歩く姿を描いてみたり…。


戸外では、再び雪が降り始め、少し積もりそうな気配ですが、

そんな鬱陶しさを払拭してくれる楽しい曲であり、演奏でした!

ホームページへ