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F.メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第3番   

イザイ弦楽四重奏団


1835年にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の指揮者に就任し、多忙な日々を送っていたメンデルスゾーン(1809-47)は、1837年にセシルと結婚。

新婚旅行中にインスピレーションを得て、弦楽四重奏曲の作曲に取りかかったそうですが、理解のあるよく出来た奥さんだったのですね!

翌年の7月までに3曲の初稿が完成、その後に改訂を加えて、op.44-1〜3として出版されました。


今日エントリーするop.44-1は、この3曲中一番最後に書かれたもの。

作曲順と異なるのは、

ベートーヴェンのラズモフスキー三部作にならって、ホ短調作品を真ん中に持ってきたためだと言われています…。


【第1楽章:Molto allegro vivace】

はちきれんばかりに若々しい情熱的なロマンが漲った第1主題のスピード感は、心地良く爽快な感動をもたらせてくれる音楽。

仄暗さを感じさせる抒情的で美しい第2主題との対照の妙!

いかにもメンデルスゾーンらしい、瑞々しさが印象的!


【第2楽章:Menuetto:Un poco allegretto】

静かで落ち着いた雰囲気の中にも、厳かさが漂う主題部。

水面を滑るように流れる、清らかな憂いを含んだ旋律の美しい、傾聴すべき佳曲です。


【第3楽章:Andante espressivo ma con molto】

ピチカートに乗って歌われる、淡いノスタルジーを含んだ穏やかな旋律。

感極まって、詠嘆調で歌われる後半部は、

メンデルスゾーンには珍しく、強い感情が込められた印象的な音楽です!


【第4楽章:Presto con brio】

溌剌としていて、晴朗な紺碧の空を思わせる、歓びに溢れた音楽。

交響曲第4番「イタリア」を思わせる旋律が、随所に聞こえてきます。


未だまだ寒い日が続いていますが、晴天の今日は陽射しも強く、「…春遠からじ」を感じられます。

この曲の晴朗さは、こんな日にピッタリですね!

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