最近聴いたCD

A.オネゲル:交響的運動第2番「ラグビー」 

J.マルティノン指揮  フランス国立放送管弦楽団


1938年、ラグビーを観戦していたオネゲルに、あるジャーナリストが「スポーツを音楽で表現できないでしょうか」と問われたことが、作曲の動機になったと言われています。

5年前に書かれた『パシフィック231』と同じく、力強いエネルギー感が押し出された作品!

トロンボーンからホルン、弦…と受け継がれる第1主題と、

チェロに始まりヴィオラ、ヴァイオリンと高まっていく第2主題が、それぞれのチームを表わし、

その攻め合いが、対位法的な手法で描かれています(ライナー・ノートより)。


今回のエントリーにあたり、3種類の異なった演奏を聴きましたが、

選手の筋肉の躍動感を表現したような、健康的なエロチシズムを漂わせる演奏あり(ディユトワ盤)、

力強いスポーツ讃歌を感じさせるような、堂々とした演奏あり(ジンマン盤)で、

結構興味深く聴くことができました。


その中で、今日エントリーするのは、マルティノン/フランス国立放送管による、荒々しいエネルギー感に溢れた演奏!

金管の野性的な咆哮は、死に物狂いでぶつかり合って飛び散る汗や怒号を、

両主題がのせめぎ合い高まるさまは、モールを作って荒々しくゴールラインへと突進する肉弾戦を、

イレギュラーなリズムは、グランドを転々とするボールの動きや、相手をかわしながら前進する華麗なステップワーク等々…

眼前で展開されるこのスポーツの魅力が、実に生々しく再現される演奏です。

他の演奏でこの曲を聴いたけれども、いまいちと思われているラグビーファンの方には、是非ともお薦めしたい、素晴らしい演奏です!

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