5年前に書かれた『パシフィック231』と同じく、力強いエネルギー感が押し出された作品!
トロンボーンからホルン、弦…と受け継がれる第1主題と、
チェロに始まりヴィオラ、ヴァイオリンと高まっていく第2主題が、それぞれのチームを表わし、
その攻め合いが、対位法的な手法で描かれています(ライナー・ノートより)。
選手の筋肉の躍動感を表現したような、健康的なエロチシズムを漂わせる演奏あり(ディユトワ盤)、
力強いスポーツ讃歌を感じさせるような、堂々とした演奏あり(ジンマン盤)で、
結構興味深く聴くことができました。
その中で、今日エントリーするのは、マルティノン/フランス国立放送管による、荒々しいエネルギー感に溢れた演奏!
金管の野性的な咆哮は、死に物狂いでぶつかり合って飛び散る汗や怒号を、
両主題がのせめぎ合い高まるさまは、モールを作って荒々しくゴールラインへと突進する肉弾戦を、
イレギュラーなリズムは、グランドを転々とするボールの動きや、相手をかわしながら前進する華麗なステップワーク等々…
眼前で展開されるこのスポーツの魅力が、実に生々しく再現される演奏です。
他の演奏でこの曲を聴いたけれども、いまいちと思われているラグビーファンの方には、是非ともお薦めしたい、素晴らしい演奏です!