最近聴いたCD

ベートーヴェン:チェロソナタ第2番 

M.マイスキー(チェロ)  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)


チェロ・ソナタ第2番は、ベートーヴェンが25歳の1796年、ウィーン、ボヘミア、プロイセンを旅行をした時期の作品で、第1番完成後に直ちに作曲に取り掛かったもの。

チェロの名手として知られたプロイセンの国王フリードリヒの恩寵を期待して書かれた、と推測されています。

どちらも長大な序奏部を持つ作品ですが、

堂々とした押し出しで、気高い威厳すら感じさせる第1番!

思索する賢人を思わせるように、内省的な歌で始まる第2番!

それぞれが、国王の人となりを褒め称えているように感じつのですが…。

ベートーヴェンの思惑はさて置いても、チェロソナタ第2番は、深々とした抒情と溌剌として瑞々しさが際立った、初期の傑作の一つだと思います!


今日エントリーするのは、マイスキーのチェロと、アルゲリッチのピアノによる演奏。

ベートーヴェンにしては、カッコ良過ぎ!

アルゲリッチの奔放なテンポに、チェロが十分に歌いきれていない部分もあるのですが、

それが逆にスリリングでもあり、颯爽とした魅力ある演奏と感じられるのです。


第1楽章:Adagio sosutenuto ed espressivo-Allegro molto piu tosto presto

深い思索を感じさせるかのように開始される序奏部は、、

内省的に深々と歌われるチェロの美しい響きと、

アルゲリッチの繊細な表現が際立ちます!

主部での丁々発止とした掛け合いは瑞々しく、

溌剌とした青春を謳歌するよう…。


第2楽章:Rondo、Allegro

アルゲリッチの颯爽としたピアノに対し、必死に食らいつくマイスキー…

そんな構図が彷彿される楽章です!

しかしチェロが歌う部分では、有無を言わせぬ自己主張が…。

丁々発止としたやり取りから、若々しい生命の息吹を漲らせた、素晴らしい演奏が展開されます。

ベートーヴェン嫌いの方にも、お薦めできる演奏だと思うのですが…。

ホームページへ