最近聴いたCD

F.シューベルト:交響曲第1番 

H.ブロムシュテット指揮  シュターツカペレ・ドレスデン


シューベルト16歳の1813年に書かれたもの。古典の作曲様式にのっとって作曲されており、

随所でハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンを思わせるような楽曲が顔を覗かせるものの、

全体を通しては、爽やかで快活、時にほのかな哀愁を感じさせる、いかにも若きシューベルトらしい音楽が展開される作品。

今日エントリーする、ブロムシュテット指揮するシュターツカペレ・ドレスデンの演奏を聴いていると、

若書きの未熟さよりも、

「彼にも、先輩作曲家の影響をそのまま受けていた時代があったのだなぁ!」という微笑ましい印象が感じられる、

曲の長所が生かされた演奏だと感じます。


第1楽章:Adagio-Allegro vivace

力の入った序奏部は、ベートーヴェンかハイドンか、などと想像するのですが、

主部に入ると一転して楽しく軽快な音楽が展開されていきます…。

転調による僅かな気分の変化などは、まさしく若き日のシューベルト特有の爽やかさが…!


第2楽章:Andante

ほのかな哀愁を漂わせた旋律と、

繊細な光の陰影を醸す弦と木管の響きとのブレンドが素晴らしい、

穏やかで愛らしい楽章です。


第3楽章:Menuetto-Allegretto

モーツァルトの交響曲第35番のメヌエット楽章を髣髴させる主題部。

なだらかなトリオ主題に彩りを添える木管の響きは、絶妙の美しさが…。


第4楽章:Allegro vivace

軽快な心地良さを感じさせる、若々しく明るい楽章!

未来に拡がる果てしない可能性に向かって力強く歩むような、

新春にふさわしい活気に満ちた曲であり、演奏だと思います!

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