随所でハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンを思わせるような楽曲が顔を覗かせるものの、
全体を通しては、爽やかで快活、時にほのかな哀愁を感じさせる、いかにも若きシューベルトらしい音楽が展開される作品。
今日エントリーする、ブロムシュテット指揮するシュターツカペレ・ドレスデンの演奏を聴いていると、
若書きの未熟さよりも、
「彼にも、先輩作曲家の影響をそのまま受けていた時代があったのだなぁ!」という微笑ましい印象が感じられる、
曲の長所が生かされた演奏だと感じます。
第1楽章:Adagio-Allegro vivace
力の入った序奏部は、ベートーヴェンかハイドンか、などと想像するのですが、
主部に入ると一転して楽しく軽快な音楽が展開されていきます…。
転調による僅かな気分の変化などは、まさしく若き日のシューベルト特有の爽やかさが…!
第2楽章:Andante
ほのかな哀愁を漂わせた旋律と、
繊細な光の陰影を醸す弦と木管の響きとのブレンドが素晴らしい、
穏やかで愛らしい楽章です。
第3楽章:Menuetto-Allegretto
モーツァルトの交響曲第35番のメヌエット楽章を髣髴させる主題部。
なだらかなトリオ主題に彩りを添える木管の響きは、絶妙の美しさが…。
第4楽章:Allegro vivace
軽快な心地良さを感じさせる、若々しく明るい楽章!
未来に拡がる果てしない可能性に向かって力強く歩むような、
新春にふさわしい活気に満ちた曲であり、演奏だと思います!