Op.3(4曲)、Op.5(5曲)、Op.12(3曲)、Op.19(3曲)、Op.92(3曲)というように、25曲中18曲を占めています。
作曲年代順にナンバリングされた、D(ドイチェ)番号での表示が主流を占める中、
プレガルディエンがOp.番号の括りを重視した選曲理由について、ライナーでは一切触れられていませんが、興味のあるところ。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご教示いただきたく存じます。
今日は、その中からOp.3の4曲をエントリーします。
過剰な感情移入を避けて、素朴に淡々と歌われるプレガルディエンの歌唱が、いずれの曲想にもマッチしていると思えるからです。
第1曲:羊飼いの嘆きの歌 D121
遠くへ旅立ってしまった愛おしい少女への、懐かしさと愛おしさ、ふとよぎる想い出に心和むひととき、嵐に託した激情等、ヴァラィエティに富んだ感情が、美しく繊細に歌い上げられています!
ライナーによると、1919年2月28日、公の場で初めて歌われたシューベルトの歌曲だそうですが、大成功だった理由が、よーく理解できます。
第2曲:海の静けさ D216
静かな海がゆったりとうねるような、底知れぬエネルギー感を湛えたピアノ伴奏。
抑制された歌唱が、海の不気味さを表出します。
第3曲:野ばら D257
詩の内容と曲想がこれほどまでに乖離した歌曲は、そうざらにはないでしょう。
読めば読むほど、「己の欲求を満たすため、力づくで女性を…」としか解釈できないのは、私の心が不浄なせいでしょうか…。
シューベルトはこの詩に、何とも天真爛漫で無邪気な曲を付けたものです。
細やかで繊細な表現によって、女性の愛らしさが際立った歌唱!
第4曲:狩人の夕べの歌 D368
夕暮れ時、獲物を待ちながら、自分のもとを去っていった女性の姿を思い浮かべる狩人!
寂寥とした歌唱と、それを支えるように奏されるフォルテピアノの鄙びた響きが、大変に効果的な演奏と感じます!
素朴で味わいの深い、シューベルトだと思います!