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カレヴィ・アホ:弦楽四重奏曲第3番 

ジャン・シベリウス弦楽四重奏団


現代フィンランドを代表する作曲家カレヴィ・アホ(1949-)が、23歳の1971年に作曲した弦楽四重奏曲。

何の予備知識もなく、「アホ」という名前につられて衝動買いしたディスクですが、これは斬新さと民族色が混在した音楽で、結構聴き易い音楽。

WIKIPEDIAによると、アホの作風は、ショスタコーヴィチの影響を受けながら新古典主義的作風から出発し、

次第に多様式主義(複数のジャンルや技法を使った様式)へと、軸足を移しつつあると考えられているようです…。


今日エントリーする弦楽四重奏曲第3番は、短い8つの曲によって構成されており、

斬新さの中に祖国フィンランドに脈々と伝わる民謡や舞曲と思しき旋律やリズムが登場し、かの国の歴史や伝承に思いを巡らせるような、そんな趣を有する作品です。


【第1曲:Vivace】
勿論、弦楽器のみでの演奏ですが、バグパイプの響きを髣髴させるこの曲。遠くから近付いてくる舞曲のリズム。中間部では、物悲しい旋律が奏でられ、やがて舞曲と混ざり合いながら、静かに消えていきます。

【第2曲:Andante】
それぞれの楽器によって、エレジーが歌い交わされます。悲痛さが際立った音楽!

【第3曲:Presto】
激しく、情熱的な舞曲

【第4曲:Allegro non troppo】
フーガ風のこの曲。何かを問いかけるような短い旋律が、テンポを上げつつ、次々と重ねられることによって、混迷が深まっていきます。

【第5曲:Presto】
プレストのリズムに拮抗する悠然と流れる旋律が、暗示的な魅力を湛えています。

【第6曲:Meno mosso】
相手を問い詰めるような、激しさを有する音楽。

【第7曲:Adagio】
瞑想の世界へと誘うような、エレジー風の旋律。

【第8曲:Allegretto】
遠くから聞こえてくる舞曲は、古からの呼びかけ?民族の魂が蘇るような趣を有した終曲です。


民族的な音楽が好きな私には、この曲の有する趣は、何とも魅力的なもの。

彼の作品は、もう少し聴いてみたいと思っています。

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