あとは吹奏楽コンクールのプログラムでしばしば目にする2つの組曲が、関係者の間で知られている程度だと思います。
そんな中で今日エントリーする『セント・ポール組曲』は、当時ホルストが音楽教師として奉職していたセント・ポール女学校の弦楽合奏団のために、1913年に作曲されたもの。
カラフルでゴージャス、かつ占星術から着想を得たと言われる神秘的な雰囲気を湛えた『惑星』とは趣が異なり、
イギリスの田園風景を思わせるようなカントリー風の素朴な親しみ易さに、ちょっと面食らったことも事実でした。
第1曲「ジーグ」は、17〜8世紀にヨーロッパで流行した3拍子の軽快な舞曲。
弦楽合奏とソロヴァイオリンが奏でる爽やかさは、我々には馴染みの深いスコットランドやアイルランドの民謡を聴いて感じる懐かしさに、一脈通じるものと感じます。
第2曲の「オスティナート」は、遠くから聞こえてくるバグパイプの音色を髣髴する、これも爽やかな音楽です。
第3曲「間奏曲」は、夜の田園に静かに漂うロマ風の哀愁と、彼らの情熱的な踊りが交互に登場します。
第4曲「終曲」は、活き活きとした舞曲と、「グリーン・スリーブズ」の旋律が同時進行していく、楽しさと懐かしさが混在したような音楽!
ホルストの作品は、『惑星』以外は殆ど聴いたことがないのですが、この曲の愛らしさや、爽やかさには惹かれます。
エントリーしたディスクには、他にグリーグやエルガー、ワ―ロックなどの佳曲も収録されており、結構楽しめると思いますので、機会があれば是非お聴きになってください。