最近聴いたCD

F.レハール:オペレッタ『メリー・ウィドウ』 

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮  
ベルリン・フィル  ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団他


『メリー・ウィドウ(陽気な未亡人)』は、架空の小国にあるフランス大使館で催されたパーティーでの出来事を描いた、オペレッタの代表作。

小国の大富豪と結婚したが、夫に先立たれ莫大な遺産を手に入れた女性に、遺産を目当てにフランスの伊達男たちが結婚を言い寄ります。

しかし、彼女がフランス人と結婚すると、莫大な遺産が小国から流出し、国家財政が危機に陥ることを心配した男爵は、

未亡人が大富豪と結婚する前に恋仲だった男と結婚させることによって、国家財源の流出を防ごうと企てますが、

男は今も彼女を愛しながらも、身分が違い過ぎることを理由に、結婚を固辞します。


止むを得ず、男爵は妻の浮気疑惑を理由に離婚を決意し、国家の存亡をかけて未亡人にプロポーズしますが、

「遺産は、一銭も私の手に入りません」としか言わなかったために、あっさりとプロポーズを撤回します。

しかしそのことを知った元恋人は、二人を隔てていた壁が無くなったと喜び、未亡人にプロポーズ。

彼女もそれを受け入れて、晴れて結婚することが決まりました…。

男爵の妻に対する不倫疑惑も、誤解であることが判明し、2人のよりが戻ります。


尚、大富豪の遺言状には、「全財産は、妻と再婚した相手に譲渡する」と書かれていたという、何とも摩訶不思議な大らかな落ちが…。

国家財源も流出することなく、全てがハッピー・エンドに収まって、メデタシメデタシ!

そんなドタバタが、美しい旋律に乗って繰り広げられます!


第1曲目から、いきなりシンフォニックな演奏に度肝を抜かれましたし、

ワルツの演奏も、元旦のニュー・イヤー・コンサートでウィーン・フィルの弾く独特の三拍子に慣れた耳には堅苦しく聴こえ、最初は違和感を覚えましたが、

聴き進むうちに、ベルリンフィルが奏でる格調高い高貴さに、段々と惹き込まれていきました。

ノリを優先するあまりに、細部が雑に聴こえる演奏とは一線を画していますが、

しかし感興に溢れた、傾聴に値する演奏!

こんなドタバタの内容は、今の時期にそぐわないのではないかとも思いましたが、

曲を聴いて気持が前向きになることができましたので、敢えてエントリーさせていただきます。

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