最近聴いたCD

F.シューベルト:歌曲「ミューズの子」D764  

ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) 
ジェラルド・ムーア(p)


シューベルト25歳の1822年、ゲーテの同名の詩に曲をつけたものです。

ミューズとは、ギリシャ神話上の文学・学術・音楽・舞踊をつかさどる女神のこと。

詩の才能に秀いでたミューズの愛息が、雪や氷に覆われた世界を飛び回って詩を歌い上げると、

そこにはたちまち花が咲き乱れ、爛漫の春が訪れる…

春を迎える喜びが歌われたメルヘン的な詩に、

シューベルトは心が浮き立つような愉しげな曲をつけました。


演奏時間は僅か2分前後の短いものですが、

シンプルで親しみ易く、かつリズミカルな2つのメロディが交互に登場することによって、

ミューズの子のやんちゃで得意げな表情が思い浮かべられ、

その微笑ましさに思わず頬を緩ませながら、

自然と身体全体でリズムをとっている自分に気付きます。


エントリーするディスクは、G.ムーアのピアノ伴奏と、D.フィッシャー・ディースカウによる演奏。

1969年、ディースカウ44歳の絶頂期の録音で、素晴らしく張りのある声で歌われています。

それ以上に素晴らしいのが、ムーアのピアノ伴奏!

ミューズの子の活き活きと飛び回る姿や、周囲に漂う大気の変化までもが感じられて、

思わずメルヘンの世界に惹き込まれてしまいます。


若い人たちのきびきびした行動が、被災された方々にとって大きな励みになるということ、

阪神・淡路大震災の折に被災した知人から聴いたことがあります。

ボランティアの方々には、被災された方々が心を開けるような、そんな応対をお願いしたいと思います!

又寒さがぶり返すとの予報ですが、確実に春の気配が感じられるようになりました。

健康にはくれぐれもご留意されますよう、お祈り申し上げます。

ホームページへ