春分の日の後の最初の満月の次の日曜日が、その日に充てられているようです。
英語でEaster、独語でOsternと呼ばれる語源は、
ゲルマン神話のEostre(春の女神)、或いはEostremonat(Monat:暦の「月」の意)に由来するとされており、
クリスチャンにとっては、キリストの復活と、待ち焦がれた春の到来とが重なった喜びの日と解釈すれば良いのでしょう…。
『復活祭オラトリオ』は、
「死して3日後に蘇る」と予言したイエスの言葉を信じた4人(ヤコブの母マリア、マグダラのマリア、ペトロ、ヨハネ)が、
復活を確認すべく埋葬地へと赴きますが、
そこにはイエスの遺体はなく、死後遺体に巻かれていた布だけが残されていたことから、
それを復活の証であると信じ、それぞれの感慨を語ると言う内容のものです。
バッハの声楽曲!以前から聴きたいとは思いつつも、余りに量が膨大過ぎて未だに取っ掛かりが掴めず、CD店で思いついて衝動買いする程度。
仮に全集を買っても、飽き性の私には、聴き通すことはできないでしょうし…。
今日エントリーするディスクも、
なぜ『復活祭オラトリオ』という曲を、
主を慕う4人の切々たる思いが伝わるような、そんな音楽だと思えました。
第2曲:アダージョの、人を恋い慕うように奏される、フルート・トラヴェルソの鄙びた響きの美しさ…。
第5曲:ヤコブの母マリアによって、主の復活の喜びが静かにかみしめるように歌われるアリアと、
寄り添うように奏されるフルート・トラヴェルソの響きが、鄙びた素朴さを際立たせています!
第7曲:現(うつつ)と思えぬ弦の模糊とした響きの中から現われるペトロのアリアと、それに絡みつくリコーダーのきっぱりとした音色との、対照の妙!
第9曲:主との再会を希うマグダナのマリアの希望に満ちた歌声と、オーボエ・ダモーレの甘い響き!
宗教曲というジャンルを超越した、こんな素晴らしい音楽を聴いていると、
「バッハの声楽曲をもっと聴かなくては!」と、つい思ってしまいました。