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ダリウス・ミヨー:交響曲第1番 

ミッシェル・プラッソン指揮  トゥールーズ・キャピトル管


1920年代の初めにジャズに触れたミヨー(仏:1892-1974)は、その魅力に目覚め、

1922年に自作公演のため訪米した時には、ハーレムでジャズや黒人音楽を研究、代表作『世界の創造』を作曲しました。

そんな縁もあってか、シカゴ交響楽団は創立50周年の記念作品として、フランスの作曲家を代表して、ミヨーに交響曲を委嘱しました。

当時の彼は、持病の慢性関節リウマチが悪化し、生まれ故郷の南仏エクス=アン=プロヴァンスで病床に伏すことが多く、その合間に創作活動を行うという状態。

限られた期限に、交響曲のような大作を完成させることは困難を極めたようですが、フランスを代表して依頼されたという気持が後押しして、1939年の末に交響曲第1番として完成。

第二次世界大戦が勃発し、ユダヤ人である彼はアメリカへ逃避しており、シカゴ饗の記念コンサートでは、自らこの曲の初演を指揮しました。


ミヨーの作品の多くは、同じ時間に2つ以上の異なった調が同時に演奏される多調性・複調性に基づいたポリフォニーを基調としており、

初めて聴いた時には、その複雑さゆえに単に雑然とした騒音のようにしか聞こえませんでした。

ところがそんな騒音から、ある時突然に南仏の自然界の中から聴こえる様々な鳥のさえずり、風の音、お祭りで歌い踊る人々の姿を聴き取るようになり、

それ時以来、ミヨーの曲を聴たびに、

幼い頃、聞こえてくる音全てに興味深く耳をそばだてたように、

懐かしい感慨を覚えながら、楽しむようになりました。


今日エントリーするプラッソン指揮するトゥールーズ・キャピトル管による演奏からは、南仏プロヴァンス地方の濃厚な郷土色が伝わってきます。

第1楽章は、パストラール風の喜びに溢れた音楽。
鳥たちの囀り、若々しい青春の歌や楽しい舞曲に、時折感傷が忍び寄ります…。

第2楽章は、プロヴァンス地方の舞曲なのでしょうか。
荒々しく武骨な踊りと、しなやかで流れるような踊りが相混じった光景を想い浮かべます。

第3楽章は、夜のとばりがおりた明かり一つ見えない大自然に佇むように、厳粛なまでの静謐感が漂う素晴らしい音楽!
是非一度お聴きになることをお薦めします。

第4楽章は愉悦感に溢れた行進曲風に開始され、
ファランドール風の舞曲によって第1楽章の牧歌的な雰囲気が回帰し、
喜びが高まりつつ、曲は終わります。


南フランスの明るい風景と、そこに住む人々の生活臭が感じられる音楽!

少し以前に書かれた『プロヴァンス組曲』同様、そんな素朴さに魅力を感じます。

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