最近聴いたCD

J.ブラームス:4つの歌op.17
(女声合唱と2つのホルン、ハープの為の) 

マーカス・クルード指揮  リアス室内合唱団


今日エントリーする『女声合唱と2つのホルン、ハープのための4つの歌』は、26歳の1859年に書かれた作品。

1857〜59年のの3年間、毎年秋から年末にかけて女声合唱団を指導するためにデトモルトを訪れていたブラームスでした。

有名な『ホルン三重奏曲』は、その時に親しくしていたホルン奏者のために着想されたものでしたが、

ちょうどその時期に書かれた、ホルンとハープを伴奏楽器として用いたこの作品も、

同様に当地に所縁の深い作品と考えても、まんざら的外れではないと思われます…。


マーカス・クリードの指揮するリアス室内合唱団の演奏ですが、このディスクに聴くホルンの美しい響きは特筆もの。

ブラームスの作品でホルンソロが際立った曲と言えば、『ピアノ協奏曲第2番』の第1楽章冒頭、『交響曲第1番』の終楽章、『交響曲第2番』の第1楽章などが挙げられますが、

特に第1曲「ハープが強く鳴り響く」(詩:フリートリヒ・ルベルティ)の冒頭は、これら作品に勝るとも劣らない、のびやかで印象的な美しい響きが堪能できます。
ついつい、ホルンの音色の素晴らしさに熱が入ってしまいましたが、女声合唱も愛おしいほどに愉悦感を覚えるもの。

第4曲「フィンガルの歌」(ジェームズ・マクファーソン編)は、古いスコットランドの詩集に基づいてたもので、
メンデルスゾーンの『フィンガルの洞窟』で知られた景勝地に由来する、悲劇的な物語。
清楚に響く女声合唱と、悲しみに寄り添うようなハープの音色、ほのかな残照を思わせるホルンが、三位一体となって美しく響きます!


昨年の12月19日、16年半間を共に過ごしてきた柴犬のチャコを亡くし、気持の整理がつきませんでした。

悲しみには徐々に慣れつつも、淋しさはつのる一方だったのですが、

今日、大らかなホルンの響きと純粋無垢な女声合唱を聴いて、

久しぶりに音楽を受け容れることができたのです。

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