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G.ビゼー:交響曲ハ長調 

ミッシェル・プラッソン指揮  トゥールーズ・キャピトル管


ビゼー(1838-1875)が17歳の時に書いた習作的な交響曲ですが、

当時のフランス楽壇ではオペラが主流であり、交響曲のような純音楽作品が世に問われること自体が稀だったようです。

この作品も長らく音楽院の図書館で眠ったままの状態でしたが、

80年後の1935年になって、ワインガルトナーの指揮で漸く初演されました。

17歳の青年の作品らしく、初々しい抒情と溌剌とした魅力に溢れた簡潔で素朴な明るい楽想の作品で、

とりわけ第2楽章のオーボエが奏でる哀愁を含んだチャーミングな旋律は、『アルルの女』や『カルメン』組曲と並んで、愛聴されているようです。


エントリーするディスクは、プラッソン指揮するトゥールーズ・キャピトル管弦楽団の演奏。

第1楽章は、若々しい覇気に溢れた第1主題と、
オーボエの奏でるのどかな第2主題を中心として、
ホルンや様々な木管の奏でる鄙びた味わいが印象的な楽章です。
私自身、プラッソンの演奏によって、初めてこの楽章の魅力に気付かされた次第です…。

第2楽章は、彼方への憧れを夢みるように、哀愁を湛えたオーボエのソロの冴え冴えとした音色美しい、大変に印象的な音楽です。

第3楽章は、壮麗なファンファーレを想起する冒頭と、
中間部の祭りを思わせる愉しげな舞曲から構成されており、
お伽の国の王女様の結婚式を思わせるような、可愛いメルヘンチックな音楽。

そして第4楽章の疾走するようなノリの良さは、いつ果てるともない常動曲のような愉しさが…。


新春を迎えるのにふさわしい、溌剌・颯爽とした、生気に富んだ音楽!

来年はこの音楽のように、初々しい気分で一年を乗り切りたいものです。

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