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R.シュトラウス:
交響詩『ティル・オイレン・シュピーゲルの愉快な悪戯』 

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮  ベルリン・フィル


R.シュトラウス(1864-1949)31歳の時に書かれた交響詩。

但し、作曲者自身はこの曲を“交響詩”と命名していませんし、副題らしき詩や文章も掲げてはいないそうです。

ただ、“ティル”の冒険談は、作曲当時のドイツでは説明が不要なくらいにポピュラーな存在で、

その悪戯の多くが挿絵を入れた本で紹介されていたために、

スコアには「ロンド形式による昔の無頼の物語」と記すにとどめていたようです。

「聴き手が自在に想像力を働かせればよい」ということなのでしょう。


しかし、とりあえずはWikipediaなどを参考にして曲の内容を記しますと、

冒頭の弦楽器による短い前奏は、「昔々、あるところに…」という物語の始まりを…、

それに続くホルンのソロは、ティルのテーマを表わし、

さらにクラリネットのソロは、その悪戯ぶりを表現したものとされ、

これらの主題が巧みに絡まり合いながら、物語が展開していくという内容…。

市場に現れたティルは、人混みの中で牛馬を放したり、

僧侶に変装してでたらめな説教をしたり、

騎士に変装して美女を口説くが、袖にされたことを逆恨みして人類への復讐を誓ったり、

俗物学者に論争を吹っかけたりと、

その悪戯ぶりは、どんどんとエスカレートとし、曲はクライマックスを迎えます!

しかし、突如小太鼓が鳴り響き、ティルは捕えられて死刑の判決が下り、絞首台であえなく最期を遂げることに…。

そんなティルを偲ぶかのように、静かに冒頭部が繰り返され、最後は悪戯ぶりが高らかに奏されて、曲は終わります。


R.シュトラウスを演奏するカラヤンの語り上手さは、申すまでもなく、大変に評価の高いもの!

これまで聴いたどの演奏よりも、豪放磊落な曲想が見事に表現されており、

かつ、ティルの百態の描き分けや、エンディング部でのティルを偲ぶ表現の美しさ等々、

細部に至るまで、際立った表現が群を抜いた演奏だと思います…。

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