プーランク(1899-1963)の8曲の場合は、1929〜38年にわたる30歳代に集中して書かれており、
8曲目のノクターンには、「連作のコーダとして」との副題が添えられていることから、
これらを1つのまとまった曲集と考えていたようです。
そして演奏にあたっては、ショパンの作品のようにテンポ・ルバートをつけないように要求したらしく、
フィールドを祖とし、ショパンに代表される情緒的・感傷的なノクターンのイメージとは趣が異なり、
プーランクらしいエレガントさと滑稽味が漂ったもの。
第1番
ホテル内のガーデンレストラン、涼しげな照明に映える水の流れが…
第2番
愉しげな軽やかな中にも、気まぐれなメランコリーが…
第3番
規則的な雨だれの響きと照明が織り成す美しい世界。
中間部では、調和を打ち破る激しい響きが…
第4番
ショパン『24の前奏曲』第7曲(胃腸薬のCMでお馴染み)のパロディー?
第5番
線香花火のように、ぱっと燃え上がり散るような…
第6番
しとしと降る雨のように、物憂げな気分が…
第7番
フランスの王侯貴族の舞を想わせる、高貴で軽やかな音楽
第8番
心穏やかに、眠りに就くような穏やかさが漂う…
私のように、お洒落とは縁遠い還暦過ぎの親父には、プーランクの作品の中では最も親しみ易さが感じられるように思います。
しばらくご無沙汰している、都会の夜が恋しくなるような、そんな思いで聴いていました!