最近聴いたCD

リヒャルト・ワーグナー:
『ニュールンベルグのマイスタージンガー』第1幕前奏曲

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮  ベルリン・フィルハーモニー


今日も又、蒸し暑い日となりました。

妻の保存している新聞の切り抜きによると、昨年の八月上旬と比べると、日々の最高気温が5℃高いとか…、道理で身体に堪えるはずです。

我が家で唯一クーラーが設置されているのは、ピアノやオーディオが置いてある音楽室。

老犬たちの夏バテ対策が、今の我家の最優先事項ですので、ここ数日は室温が26℃を超えると、クーラーをつけると同時に部屋の入口を解放、

階段下の廊下に冷気を送り、涼しい環境で昼寝ができるようにしています。

しかしその一方では、私の生活拠点であるパソコンが置いてある部屋は、扇風機だけでは暑さがしのげない蒸し風呂状態。

避暑地に住んでいるとは言っても、こんな生活を送る昨今、今しばらくはホームページの更新が途切れがちになるかと思いますが、ご容赦のほどを…。


前回のチャイコフスキー『ロミオとジュリエット』に味をしめ、「猛暑には熱い音楽を!」ということで、

今日は何人かの指揮者で、『ワーグナー序曲集』の熱演を聴きました…。

「暑い時には逃げずに、熱い音楽を!」との方針変更のお蔭で、

どの曲・どの演奏を聴いても、内面から力が湧いてきて夏バテが解消出来そうな気分になれますが、

その中でも一番気分が爽快になったのが、カラヤン/ベルリン・フィルによる『ニュールンベルグのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲でした。


この楽劇は、ワーグナーが好んで用いた架空の神秘的な題材を避けて、

中世のドイツで盛んだった親方歌手の生活を、面白おかしく活き活きと描いた作品。

全曲を通して聴いたことはありませんが、

少なくともカラヤンがイメージしたのであろうこの曲の世界が、

他の誰の演奏よりも豊潤な響きと、

きびきびとした、且つ悠揚せまらぬテンポ感によって、見事なまでに描き切られています。


ストーリーは割愛しますが、

第1幕前奏曲に登場する「マイスタージンガーの動機」「芸術の動機」「愛の動機」など、

代表的なライトモチーフが、実に壮麗な響きとして表現されています。

「ワーグナー演奏の邪道」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、

『第1幕前奏曲』という一つの完成された作品としては、その颯爽さという点において、

他のワーグナー指揮者の演奏以上に素晴らしいと感じられました。

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