1890年代初頭に、ピアノ伴奏部分をオーケストレーション化した上で出版されました。
マーラー最初の連作歌曲集であり、詩の内容から推しても自伝的な作品と考えられ、彼の作品中でも人気の高い曲として知られています。
日本では1970年代に始まったマーラーブーム以前から、この曲の人気は高かったようですが、
その大きな理由の一つとして、今日エントリーする1952年に録音されたフィッシャー=ディースカウのバリトン、フルトヴェングラー指揮するフィルハーモニア管弦楽団の演奏の存在を抜きに、考えることはできないでしょう。
LPでこの曲を初めて聴いた時、森羅万象を包み込むような尋常ならざる懐の深さを感じさせるオーケストラ伴奏の中、
“Wenn mein Schatz Hochzeit macht”と歌う、フィッシャー=ディースカウの若々しいバリトンが響き渡った時、
まっさらな音楽が今まさに誕生する瞬間に出遭うような、
鳥肌が立つような感動を覚えたことを、今でも鮮明に思い出します。
第1曲:恋人の婚礼の時
第2曲:朝の野を歩けば
第3曲:僕の胸の中には燃える剣が
第4曲:恋人の青い瞳
以上4曲からなるこの歌曲集は、
失恋の痛手に誰もが悩み苦しんだであろう張り裂けるような思い(第1〜3曲)と、
時の経過によって癒され、新たな旅立ちに向かう若者の姿を歌ったもの(第4曲)。
このディスクに関しては、これ以上書くことは何もありません!
もし未だお聴きでないのなら、是非一度お聴きになることをお薦めします!