ジプシーたちの自然観や人生観、恋、音楽などをテーマにしたこの詩集、
底辺に流れる情熱やメランコリーに共感して、作曲を思い立ったと言われています。
第1曲「私の歌が響く」
第2曲「聴け!トライアングルを」
第3曲「森は静かに」
第4曲「わが母の教え給いし歌」
第5曲「弦を整えて」
第6曲「軽い着物は」
第7曲「鷹ははばたく」
以上7曲の小品からなる歌曲集は、民族色豊かな旋律の中に、思いやりに満ちた心が感じられる、佳曲揃い!
中でも「わが母の教え給いし歌」は、お聴きになれば、「ああ、この曲か!」と、きっとお分かりになると思います。
今日エントリーするのは、オッターのメゾ・ソプラノとフォシュベリのピアノ伴奏によるもの。
情熱的な愛、誇り、闇への不安、亡き人の想い出、日々の喜び、自由を求める心などが、見事なまでに歌い分けられていると感じます。
その中でも白眉は、やはり「わが母の教え給いし歌」!
年老いた母が私に歌を教えていた時、
しばしば目に涙を浮かべていた。
今、私が自分の子供にその歌を教えていると、
涙が日焼けした頬を伝って滴り落ちてくる
年齢のせいか、最近涙腺が緩んできていることもありますが、それでもオッターの歌唱は格別のもの!
聴くほどに味わいの深まる歌曲集。
コダーイやブリテンの歌曲とともに『Folksongs(世界のフォークソング集)』というCDに収録されています。
機会があれば、是非お聴きになってください。