爽やかな季節を通り越して、真夏の暑さすら感じられる気候です。
大型連休中は、道路が大渋滞に陥ることが予想されるために、一日自宅を動かないことにしています。
庭の雑草を抜いたり、本を読んだり、音楽を聴いたりと…。
こういう日には、気分転換に普段余り聴かない音楽をという気分になり、プーランクを思いつきました!
パリのエリゼ宮殿のすぐ近くの裕福な家庭で生まれたプーランク(1899-1963)は、
パリを舞台にして生じた様々な芸術的な出来事を直接・間接に見聞できるという恵まれた環境の中、自由奔放な青年期を過ごしたと言われています。
軽妙、洒脱、フランス的エスプリ等々、彼の音楽の特徴を列挙すればするほど、おおよそ私の感性とは縁遠いことは自覚しているのですが…。
とりあえず年代順にと考えて、Wikipedia等を参照しながら、先ずOp.1の歌曲『黒人狂詩曲』という曲から聴き始めたのですが…。
いきなり嵌ってしまいました!
当時のパリでは、異国趣味が大流行していたそうですが、
ピアノと弦・木管、それにバリトンという小編成で演奏されるこの歌曲の素材は、黒人がフランス語で書いた「マココ・カングルー」という、でたらめな(?)詩集とか…。
どの曲も、耳に軽やかなのですが、ただそれだけではない、不思議な深みを感じさせる音楽と感じました。
第1曲『前奏曲』冒頭からいきなり南国の海辺へとタイムスリップしたような、異国情緒漂うリゾート気分に…。
第2曲『ロンド』では、クラリネットの異国情緒漂う音色と、土俗的なエネルギー感溢れるリズム…
第3曲『ホノルル』では、バリトンが意味不明な歌詞を歌って異国情緒を盛り上げますが…?
第4曲『牧歌』では、南国のロマンティックな星降る夜を髣髴させる趣が…
第5曲『フィナーレ』は、原始のシャーマニズムにも通じる神秘的の雰囲気が漂います…。
1917年、プーランク18歳の時に書かれ、楽壇へのデビュー作となったこの曲は、パリの聴衆を熱狂させただけでなく、
ロシアバレー団の総帥ディアギレフの目に留まり、その要請によって、代表作となったバレー音楽『牡鹿』が誕生しました。
昨日この曲、とりわけ第5曲を聴いて、ゴーギャンの絵画「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」を連想したのですが…。