最近聴いたCD

ニコラ・パガニーニ
ヴァイオリンとギターの為の6つのソナタ(MS.9〜13) 

ルイジ・アルベルト・ビアンキ(Vn)  マウリツィオ・プレダ(G)


今日は4月1日、エープリル・フールです!

それにあやかって、まるっきりの嘘ではないのですが、信憑性にはやや疑問の残るパガニーニの楽曲に関する噂話を…。


パガニーニが残したギターに関する作品は、意外なことに独奏曲や室内楽を合わせるとCD20枚を超えるそうで、全作品数の半数にも及ぶと言われています。

彼がギター曲を書いた理由は、ギターの好きな愛人に捧げるために、或いは愛人のギター伴奏で自らが演奏するためだったとか…。

パガニーニのヴァイオリン曲は、自らのテクニックを誇示するために作られ、高度な技術を要する難曲として知られていますが、

一方ギター曲やパートは、超絶技巧とは無縁な、比較的平易なものが多いことから、余計にそういった憶測がなされるようです。

楽壇の寵児として忙しい毎日だったでしょうに、女性に対しては随分とマメな男だったようですね!


で、今日エントリーする『ヴァイオリンとギターのための6曲のソナタ(MS.9〜13)』のうちのMS.13は、当時愛人として浮名を流した、フランス皇帝ナポレオン1世の妹エルザ・ボナパルトに捧げられたもの。

尚MS.とは、Moretti-Sorrento社 のパガニーニカタログ番号のことで、

これら5曲は、1805〜9年に当時エルザが支配していたルッカ(イタリア・トスカーナ地方)に滞在している時期に書かれたもの。

但し、MS.13以外のソナタは、彼女以外の女性に献呈されているようです…。


ルイジ・アルベルト・ビアンキ(ヴァイオリン)とマウリツィオ・プルダ(ギター)の演奏を聴いていると、二つの楽器の奏でる優しい旋律の絡み合いによって、穏やかで甘く切ないメロディーが奏でられていきます。

はっきり申し上げると、どれもが似たような曲想で、私には1度や2度聴いただけで判別することはできませんが、昨日は1時間40分以上をかけて5つのソナタを聴き通しました。

同じような曲想の作品を続けて聴いていると、大概は辟易としてくるものですが、

よーく聴いてていると、どこかで耳にしたことがあるような平易なメロディーが、思いがけない方向に発展する意外性、

ギターという楽器の個性に由来するのかもしれませんが、押しつけがましさを感じられないこと、

作品ごとに三種類のストラディヴァリを使い分けて、微妙な音色の違いが楽しめること、

そのような理由から得られた印象かもしれません。

『ヴァイオリン協奏曲』や『24のカプリース』とは趣の全く異なった佳曲!
一度耳にされることを、お薦めします。

ホームページへ