幕間劇(インテル・メッツオ)として作曲された『奥様女中』と、最晩年に委託されて作曲した『スターバト・マーテル(悲しみの聖母)』で、後世に名を残しました。
ただ、生存中は殆ど評価されず、死後にその名声が高まったために真鴈がつきにくく、後世になって彼の名を騙った作品も数多く出回っていると言われています。
今日エントリーするのは、彼の作品にほぼ間違いないという、フルート協奏曲ト長調。
『イタリアのフルート協奏曲』というタイトルで、ペルゴレージを始めとする18〜19世紀初頭の5人の作曲家の作品が収録されたディスクで、
ジェームス・ゴールウェイのフルートと、クラウディオ・シモーネの指揮するイ・ソリステ・ヴェネチァの演奏によるものです。
何と爽やかな曲であり、演奏なのでしょう!もし去年のうちに一度でも耳にしていれば、今年の元旦の聴き初めには、この曲を選んだことと思います。
第1楽章のオーケストラの響きは、柔らかな陽射しの中、春風が頬を撫ぜるような心地良さ!
第2楽章は、ゆるやかに流れる雲のもと、澄み切った甘美な哀愁が漂います。
第3楽章では、鳥たちの囀りには、自ずと心が和んで…。
シモーネ率いるこのオーケストラの透明感あふれる美しい響きは、この曲にピッタリのもの!
唯一、「フルートの音色がもう少し柔らかければ」と願うのは、贅沢なことなのかもしれませんが…。