オーディオの好きな方にはお馴染みの、アナログ時代の名録音として知られる、Proprius社(スウェーデン)の『Cantate Domino』に収録されている一曲として聴いたのですが、
(多分)スェーデン語で書かれた対訳の付いていない輸入盤CDを購入したために、10数年間曲名を知らないままに愛聴していた曲でした。
フランスの作曲家アダン(1803〜1856)といえば、私の知識では、せいぜいバレー音楽『ジゼル』を作曲した人というくらいでしたが…。
しかしこの曲は、“O holy night!”という題名で英訳されて以降、全世界に広まり、
日本でも讃美歌第2編219番“さやかに星はきらめき”として広く愛唱されていること、
この曲をエントリーするにあたってインターネット検索したことによって、初めて知りました。
アカペラ、ピアノ伴奏、オルガン伴奏、オーケストラ伴奏等、様々な形に編曲されてディスク化されていますが…
実は私、エントリーした演奏でしか聴いたことがないのですが、
もう15年以上にわたって、繰り返し聴き続けているにも拘らず、聴くたびに新たな感動が得られる演奏ですので、あえてご紹介する次第です。
冒頭、広々とした空間に漂うパイプオルガンの柔らかい響きに導かれて歌われる、一点の曇りも感じさせない素朴でまっすぐなソプラノの美しさ!
合唱は必ずしも十全なアンサンブルが保てているとは思えませんが、実直さが感じられる歌唱は、逆にこの曲に相応しく感じられます。
他にも15曲のクリスマス・キャロルが収録されていますので、合唱好きな方だけではなく、多くの人々にぜひ体験していただきたいと思うディスクです。