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フランシス・プーランク:シンフォニエッタ 

シャルル・デュトワ指揮  フランス国立管弦楽団


プーランク(1899〜1963)は、同時代に活躍した新ウィーン学派の作曲家達の作品のように、一部の有識者階層と思われる聴き手に対する、逃げ場のない厳密さを求める音楽とは一線を画し、

型にはまらない奔放さで、軽妙洒脱な音楽を生み出し、フランス本国では、一時期広く大衆に受け容れられた作曲家でした。


1947年に作曲された、4楽章からなるシンフォニエッタとは、小交響曲という意味ですが、

内容的には交響曲という形式上の堅苦しさはほとんど感じらず、

子供の頃に体験したフェスティバルの様々な楽しかった思い出を、自由自在にカンバスに描きつけたような趣が感じられる、自由で闊達な音楽と感じられます!


第1楽章は、青空に浮かぶアドバルーンや飛行船を始めとして、目にするもの全てに限りなく好奇心や憧れを抱くような感慨を覚えさせてくれる、ファンタジックで、楽しくのびのびとした音楽です!

第2楽章は、会場内のあちらこちらで繰り広げられる、マーティング・バンドを始めとする様々な楽しい催しに、心浮き立つよう!

第3楽章は、遊び疲れた子供たちが、まどろんで見る夢の世界を連想します。

第4楽章の豪奢で華やかな音楽は、嘗て未知の世界を映し出す映画館のスクリーンで観たレトロな映像を思い浮かべ、懐かしさが甦るのですが…。これって思い切り個人的な感慨ですね!


プーランクの音楽が持つ軽妙洒脱さや、垢抜けしたお洒落な感覚と言うのは、武骨な体育会系の私とは最も縁遠いものなのですが、

このシンフォニエッタは、前述したように幼い頃のイメージと重なり、ごく自然に共感できる、、ストレス・フリーな楽しい音楽だと思います。

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