彼は画家としても高名だったらしく、そのためかスウェーデンの風景をイメージさせる楽曲が、この曲でも随所に聴き取れるように思います。
第1楽章の序奏部は、ティンパニーのトレモロの続く独奏チェロのほの暗い響きで始まりますが、主部にはいると、活き活きとして屈託のない楽しげな音楽が繰り広げられます。
中でも各種の木管楽器によって奏される旋律が、まるで鳥たちによって歌われているように聞こえるのは、作曲の妙によるものなのでしょうか…。
第2楽章の物憂げな中にもクリスタルのように透明な響きは、さしずめ白夜に奏される夜想曲の趣が感じられるような美しさ…。
第3楽章は狩りを思わせる勇壮な音楽ですが、ここでも鳥たちの囀りや、野を渡る風の音が聞こえてくるようです。
中間部の素朴な旋律が、押し寄せるように高まってくるところでは、胸が熱くなります…。
第4楽章は、スウェーデンのいろんな民謡が使われているのでしょうか。
まるでフェスティバルのような趣で、楽しくってどこか懐かしさを覚える音楽に、思わず身体が反応してしまいます。
この曲は、次々と湧き出てくる曲想を、経験が浅いために曲としてまとめ切れないのか、
無駄口が多く、時にくどさを感じることもあるのですが、
それでも随所で北欧の自然を髣髴させてくれますし、人々の素朴なエネルギーを感じさせてくれるために、思い出したように時々ふと聴きたくなる、そんな一曲です!