久しぶりに、ミュンヒンガー指揮するシュトットガルト管の管弦楽組曲を2曲聴きました…。
最初に聴いた第2番は、中学生時代に初めて授業で聴いた時から、フルートが奏する軽やかで典雅な旋律に、セレブな憧れを抱いた曲でした。
ミュンヒンガーの演奏は、低音の響きが柔らかく重厚で、ふかふかの絨毯が敷き詰められた王侯貴族の館に招かれたような気分…。
シュルツの奏するフルートも、いぶし銀のような高貴な音色で、しばしリッチな雰囲気を愉しむことができました。
第2番の余韻に浸りながら、引き続いて第1番を聴きました…。
「作品番号の並んだ曲だから、似たような雰囲気だろう」と思いながら聴き始めたのですが、
第2番とは全く趣が異なり、野鄙で洗練さに欠けたパストラール風の音楽で、おおよそバッハらしくない素朴さには、少々驚きました。
作品番号が続いていたために、無意識のうちに、連続して作られたものと、誤解してしまっていたのですね。
作曲年代が不明なために多少の例外は有るにしても、作品番号というものは、大方は曲の完成順に付けられているもの。
ただ、バッハの作品番号は、ジャンル別の目録に基づいて整理されており(例えば管弦楽曲なら、BWV1066〜71)、ジャンルが異なる曲と対比しながら、作曲順を知ることはできません。
でもこんな思い違いのおかげで、
これまで抱いていたバッハのイメージとは異なる管弦楽組曲第1番と同時期に作られたのは、一体どんな曲だったのか、
他のジャンルの作品も、聴いてみたくなりました。
怪我の功名ですね!
因みに、音楽辞典によると、第1番が1718年、第2番が1720年に作曲されています。
この2年間に何が起こったのか、様々な曲を聴きながら推測するのも、一興かと思います。