特に『春』と『ヴィーナス誕生』は、美術に疎い私でも見たことがある(勿論、複製で!)ほどの名画と評されるものです。
ただ、初めて聴いた時に感じたのですが、絵を思い出しつつ、「どの部分を表現しているのだろう」なんて考えながら演奏を聴いても、全く楽しめません。
むしろ、最初に絵のイメージが湧かなかった『東方の三博士の礼拝』を聴いた時の方が、固定観念に囚われなかったせいか、曲に素直に感動できたように思います…。
先入観念を抱くことなく聴いた方が、より楽しめるのではないかと…。
第1曲『春』は、様々な生命の芽吹きを促がすような、華やかかつ爽やかな大気の息吹が感じられます。
第2曲『東方の三博士の礼拝』は、ファゴットに始まる様々な木管楽器の音色の華やかな色彩と、
旋律のオリエンタルなムードが、いやが上にもインスピレーションを掻き立てる音楽。
そして第3曲『ヴィーナス誕生』では、生命の誕生に、周囲の自然界までもが感動の極致にまで達し、いつまでも余韻が漂い続ける音楽…。
数種類のディスクを聴いただけですが、その中では、ジェフリー・サイモンのディスクが最も感興に富んだ演奏だと思います。
これらの絵は、イタリアの同じ美術館に所蔵されているとのこと。
絵も音楽もよくご存知の方は、この曲をどう思われるのか、ご意見を伺いたいと思うのです…。