最近聴いたCD

レスピーギ:ボッティチェッリの3枚の絵

ジェフリー・サイモン指揮  フィルハーモニア管弦楽団


ルネサンス期のイタリアの画家ボツティチェッリの油絵、『春』『東方の三博士の礼拝』『ヴィーナス誕生』の名前が付けられた、3曲から構成される作品集。

特に『春』と『ヴィーナス誕生』は、美術に疎い私でも見たことがある(勿論、複製で!)ほどの名画と評されるものです。

ただ、初めて聴いた時に感じたのですが、絵を思い出しつつ、「どの部分を表現しているのだろう」なんて考えながら演奏を聴いても、全く楽しめません。

むしろ、最初に絵のイメージが湧かなかった『東方の三博士の礼拝』を聴いた時の方が、固定観念に囚われなかったせいか、曲に素直に感動できたように思います…。

先入観念を抱くことなく聴いた方が、より楽しめるのではないかと…。

第1曲『春』は、様々な生命の芽吹きを促がすような、華やかかつ爽やかな大気の息吹が感じられます。

第2曲『東方の三博士の礼拝』は、ファゴットに始まる様々な木管楽器の音色の華やかな色彩と、

旋律のオリエンタルなムードが、いやが上にもインスピレーションを掻き立てる音楽。

そして第3曲『ヴィーナス誕生』では、生命の誕生に、周囲の自然界までもが感動の極致にまで達し、いつまでも余韻が漂い続ける音楽…。

数種類のディスクを聴いただけですが、その中では、ジェフリー・サイモンのディスクが最も感興に富んだ演奏だと思います。

これらの絵は、イタリアの同じ美術館に所蔵されているとのこと。

絵も音楽もよくご存知の方は、この曲をどう思われるのか、ご意見を伺いたいと思うのです…。

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