地球温暖化現象によるものか、標高950mに位置する我が家でも、最近は耐えられなくなって、時々クーラーのお世話になることがあります。
スコットランドと我が家では、どちらがしのぎやすい気候かは別として、
こういう日には、日本ではおなじみの“蛍の光”“故郷の空”“アニーローリー”に代表されるスコットランド民謡を聴くと、
当地の冷涼な空気が想像できて、気持ちだけでも爽やかになれるものです。
ドイツ人作曲家ブルッフが、スコットランドの作家ウォルター・スコットの作品から霊感を得て作曲されたというこの曲、
各楽章にスコットランド民謡が使われており、特に第3楽章の“ジョニーがいなくてがっかり”は、この曲のおかげで、イギリス国内でも広く知られるようになったと言われています。
さすがにクラシック音楽の普及率が世界一高いと言われる、イギリスならではの話ですね!
この曲の正式な題名は、『スコットランド民謡の旋律を自由に使った、管弦楽とハープを伴ったヴァイオリンのための幻想曲』
様々な民謡の旋律を奏でるヴァイオリン・ソロの音色を聴くと、ケルティックハープを爪弾きながらスコットランドの歴史や伝承を語る吟遊詩人が連想されて、
古き良き時代を懐かしむ、郷愁のようなものを感じてしまいます。
序奏部から、深く垂れこめた霧の中から聞こえてくるようなハープの爪弾きに乗って歌われる、ヴァイオリンの憂愁を伴う美しい音色によって、瞬時に古の世界へと誘われていきます。
私が聴いた中では、パールマンの美しい音色が聴ける上記の演奏が、そんなイメージにぴったりだと思います。