気分転換に、思いっきりストレスフリーな曲でも聴こうと思って、グローフェの“グランドキャニオン”を捜していると…
ストロンバーグという聞いたこともない指揮者が、ボーンマス交響楽団を振ったCDを発見しました。
「何で、こんなCD持ってるんやろ?」と記憶をたどると、
同じ作曲家の“ナイアガラ瀑布 (世界初レコーディング) ”を聴きたいがために、買ったことを思い出しました。
カップリングされているエントリー曲や“ミシシッピー組曲”も、未だ一度も聴いていませんでしたので、早速聴きましたが…。
なんと大らかな演奏なんでしょう!
何の屈託ないように、ここまで楽器を思い切って鳴らしまくられると、
弦の音がカサカサして潤いに欠けるとか、
金管の音が時々外れるとか、
そんなことはどうでもよくなってきます。
「楽しければ、全てそれで良し!」。実に爽快な気分で、曲を聴き終えました。
描写音楽だからでしょうが、分かり易く、曲全体の見通しが立ち易いために、こういった演奏が可能なのだと思います。
第1曲:日の出;グランドキャニオンに昇る太陽って、こんなに感動的なのかと、あらためて思いました!
第2曲:赤い砂漠 ;真昼の砂漠に、じりじりと照りつける太陽。まるで灼熱地獄のようです。
第3曲:山道を行く;誰もが耳にしたことがある、のんびりした情景が描かれています。渓谷の底から聞こえる川の流れる音も、印象的です。
第4曲:日没;岩肌に映える残照の美しさが印象的な、穏やかな音楽。
第5曲:豪雨;稲妻や雷鳴の凄まじさは、今の季節だからこそ爽快に思えるのですが、雷シーズンに聴くのは御免蒙りたいほど、リアルさを感じました。
定評のある名曲の名盤を聴くのも素晴らしいことですが、時に名も知らぬアーティストの演奏に感動できる喜びも、捨てがたいものですね。