最近聴いたCD

プッチーニ:歌劇『トスカ』より“星は光りぬ”

カレーラス(テノール) カラヤン/ベルリン・フィル


私がオペラ全曲を聴くことは、殆んどありません。理由は…

1)そもそもチケットが高過ぎる
2)ストーリーに興味が持てない
3)演奏時間が長すぎる等々…

オペラファンの方からは顰蹙を買うかもしれませんが、そういった理由で、序曲や前奏曲、それにアリア集とハイライト盤しか聴きません。
それで十分に満足しているのです。
「オペラの神髄が分かっていない」との声が聞こえそうですが…。

我が家は軽井沢という知名度の高い観光地に近いという場所柄、出身地の関西方面や東京に在住する学友達が、物見遊山がてらに、時々顔を出してくれます。

彼・彼女らは、私が音楽好きであることを知っていて、夕食が終わって一段落すると、心優しき気配りから「何か良い音楽を聴かせて!」とリクエストしてくれます。

そんなお声がかかると、「待ってました!」と内心ニンマリしつつ、勿体ぶりながら必ず取り出す一曲がこのディスク。

ホセ・カレーラスのテノールと、カラヤン/ベルリン・フィル(ハイライト盤)による演奏です。 おどろおどろしいストーリー(ご存知ない方は、“トスカ・星は光りぬ”で検索して下さい)とは裏腹に、音楽は甘く透き通るように美しいもの。

ベルリン・フィルの往年の名手ローター・コッホ奏する、透明で切々と訴えるようなオーボエの調べ。
切なさを帯びてはいますが、女々しさが微塵も感じられないカレーラスの粋な歌唱。
そしてカラヤン率いるベルリン・フィルの、息を呑むような弱音の美しさ。

普段都会の喧噪の中で暮らす彼・彼女らにとって、周囲に明かり一つない夜の静寂の中で聴くこの演奏は、我が家での最高のもてなしと自負しているのです…。

この名演奏に感動した、ある学友曰く!
「こんな声で耳元で囁かれたら、メロメロになりそう。よーし!家に帰ったら、尚一層磨きをかけて、必ずもうひと花咲かせるでぇ…」と息巻いておりました。

彼女宅の家計費に占める化粧品+サプリメントの割合は、帰宅後大幅にアップし、ご主人のお小遣いは尚一層減らされたのではないかと心配しているのです…。

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